医療広告ガイドラインで表示する費用(価格)について
エムディー株式会社では、多くのクライアント様におけるホームページの修正に携わってきましたが、修正点でもっとも多い内容の一つに「費用(価格)」が挙げられます。
自由診療の取り扱いがある医療機関様においては、ホームページにて費用についての情報提供を行うことが必要となりました。本来は広告可能でない自由診療に関する内容ですが、医療広告ガイドラインにおける「限定解除要件」で定められた他の項目とともに遵守することで表示が可能となります。
広告適用前のホームページは広告でないこともあり、どちらかというと治療内容やメリットのみが散見される傾向にあります。医療広告が適用された限定解除要件を満たすためには、治療についての費用や治療回数、リスクや副作用の項目を表示させる必要があります。
費用(価格)項目の表示における注意点
医療広告ガイドラインの「第4 広告可能事項の限定解除の具体的な要件」では、下記のように表記されています。
~治療等の名称や最低限の治療内容・費用だけを紹介することにより国民や患者を誤認させ不当に誘引すべきではなく、通常必要とされる治療内容、標準的な費用、治療期間及び回数を掲載し、国民や患者に対して適切かつ十分な情報をわかりやすく提供すること。標準的な費用が明確でない場合には、通常必要とされる治療の最低金額から最高金額(発生頻度の高い追加費用を含む。)までの範囲を示すなどして可能な限り分かりやすく示すこと。
また、当該情報の掲載場所については、患者等にとって分かりやすいよう十分に配慮し、例えば、リンクを張った先のページへ掲載したり、利点や長所に関する情報と比べて極端に小さな文字で掲載したりといった形式を採用しないこと。
(医療広告ガイドライン 第4 広告可能事項の限定解除の具体的な要件))
上記より次のような表現にするのが好ましいです。
費用:○○円
あるいは
費用:○○円~○○円(最低金額と最高金額)
「○○円~」や「○○円以上」といった表示は利用しやすいものの、正しい情報が利用者に伝わりづらいこともあり、より明確な数値となる下限と上限の費用を表示する必要があります。もちろん総額で○○円と表示し、細かい内容についても併せて反映させることができるのであれば、標準的な費用についてより細かい数値を利用者に伝えることができるため、医療広告ガイドラインの趣旨に沿った表現となります。
ただ、治療内容には個人差があり、治療回数にも変化が生じる場合などは最低費用と最高費用を使用した表示内容でも差し支えありません。
あるいは「治療例」として個々の治療例を一つずつ分かりやすく表示する場合は、かかった費用の総額も判断できると思われますので、細かく表示するのが好ましいと考えられます。
インターネット広告に関する表現
GoogleやYahooが提供するインターネット広告においても費用に関する広告の内容については規制を守る必要があります。
なお、インターネット広告に関する表現方法は、医療広告ガイドラインの規制内容の遵守はもちろん、それぞれの企業における厳しい掲載基準が適用されるため、より一層の配慮が求められます。
自由診療による広告を実施する際は、前項で表示した「標準的な費用」か「最低費用から最高費用」の記載がない場合、広告審査時に落とされる(審査落ちする)傾向が高いので注意する必要があります。
(参照:Google 広告ポリシー ヘルプ ヘルスケア、医薬品)
https://support.google.com/adspolicy/answer/176031?hl=ja
(参照:Yahoo!広告ヘルプ 12.医療機関)
https://ads-help.yahoo.co.jp/yahooads/guideline/articledetail?lan=ja&aid=1551
費用(価格)も含めた限定解除要件の表示方法
費用(価格)については好ましい表示方法を紹介しましたが、併せて「保険が使えない」ことを表示させる必要があります。自由診療で全額自己負担だから、費用がこのくらいかかるという表現です。
【適切な表示例】
- 主訴:○○○
- 治療内容:○○○
- 費用:○○○
- 治療期間:○○○
- 治療回数:○○○
- 主なリスクや副作用:○○○
※自由診療のため、保険証は使えません
まとめ
限定解除要件で表示する費用に多い「最低金額~」という表記は、指摘を受ける前に今すぐ変更してください。
また、「治療費の詳細はどこまで記載すればよいのか」とお悩みの方がいらっしゃいましたら、ぜひエムディー株式会社の医療広告ガイドライン対策へご相談ください。
エムディー株式会社は数多くの医療機関に携わってきたノウハウを活かし、医療機関専門のホームページ制作会社として、集患のお手伝いを行っております。