DMMオンラインクリニックの基本概要とサービスの特長
DMMオンラインクリニックは、IT企業であるDMM.comが展開するオンライン医療サービスの一つで、スマートフォンやパソコンを使って自宅や外出先から医師の診察を受けることができる新しい医療プラットフォームです。従来の通院型クリニックとは異なり、24時間いつでも診察予約が可能で、オンライン上で問診、診察、薬の処方までを一括で完結させることができます。
■ 基本的な利用の流れ
DMMオンラインクリニックを利用するには、まず専用サイトから希望の診療科目と診察日時を選んで予約を行います。その後、事前に問診票を入力することで、診察時の待ち時間を短縮でき、スムーズに診療へと進むことが可能です。診察はビデオ通話を用いて医師と行われ、処方が必要な場合は薬が自宅や指定の受け取り場所(コンビニ・宅配ロッカー・ヤマト営業所など)に配送される仕組みです。
初診からオンラインで対応可能で、一般的な症状から自由診療の診察まで幅広く対応しています。特に多くのユーザーが利用している診療内容としては、AGA(男性型脱毛症)、メディカルダイエット(リベルサス・マンジャロ)、ED治療、ピル・アフターピル処方などがあります。
■ 診察料が無料|支払うのは薬代と送料のみ
DMMオンラインクリニックの大きな特長として挙げられるのが「診察料が無料」である点です。ユーザーが支払うのは、お薬代と配送料のみとなっており、料金体系がシンプルかつ明確です。初めてオンライン診療を利用する方にとっても、安心して利用を開始しやすい構造になっています。
処方薬にかかる費用はすべて税込表示で明記されており、診療科目ごとに料金表が公開されています。また、診療内容によってはDMMポイントを使って支払いができるため、DMM.comの他のサービスと連携してお得に利用することも可能です。
■ 24時間受付・土日祝も対応可能
診療の受付は原則24時間体制で行われており、平日は午前8時から午後10時、土日祝日も午前8時から午後9時まで診療を受け付けています(※年末年始を除く)。これにより、平日は仕事で忙しい人や、急な体調変化があった際にも、柔軟に対応してもらえる点が高く評価されています。
急ぎで処方薬が必要な場合でも、診察後すぐに発送手配され、東京都23区や大阪市24区であれば最短3時間以内の当日受け取りが可能なケースもあります(交通状況により遅れが生じる場合あり)。
■ スマホ1台で完結|アプリ不要・ブラウザ完結型
DMMオンラインクリニックはアプリのインストール不要で、ブラウザのみで完結できる点も使いやすさのひとつです。専用アプリのインストールに不安を感じる方でも、スマホやタブレットがあれば、ログインしてすぐに診療が受けられるという手軽さがあります。
ビデオ通話ツールの操作も簡単で、初めての方でも画面の案内に従って進めるだけで問題なく診察を受けることができます。通信環境が整っていれば、外出先からでも診察可能なため、ライフスタイルに合わせた柔軟な受診が可能です。
■ 対応診療科目が豊富|複数科目の同時受診も可能
DMMオンラインクリニックの魅力の一つに、対応している診療項目の多さがあります。男性AGA、女性AGA、メディカルダイエット、ED・早漏、ピル・アフターピル、性感染症、パーソナル漢方、睡眠サポートなど、多岐にわたる診療科目を取り扱っています。
さらに特徴的なのは、複数の診療科目を同時に受けられるという点です。たとえば、AGA治療とメディカルダイエットを並行して相談することも可能です。これにより、個別の医療ニーズに応じてよりパーソナライズされた診療体験を提供しています。
■ 通院の煩わしさを解消|DMMが実現する新しい医療体験
病院に行く時間が取れない、仕事が忙しい、通院の待ち時間が長い——こうした悩みを抱える人にとって、DMMオンラインクリニックは理想的な選択肢となりつつあります。特に自由診療の分野では、オンラインでの利便性が最大限に活かされており、ユーザー満足度も非常に高い傾向があります。
DMMオンラインクリニックは、単なる医療提供ではなく、デジタルの力を最大限に活用しながら「短時間・高品質・効率的」な医療体験の提供を目指しています。診療所に足を運ばずとも、全国どこからでも信頼できる医師とつながれる——それがDMMオンラインクリニックの最大の価値です。
DMMオンラインクリニックが運営・提携する店舗一覧
DMMオンラインクリニックは、基本的にオンライン診療に特化したサービスですが、利用者のさまざまなニーズに対応するため、必要に応じて対面診療にも対応しています。その拠点となるのが、DMMオンラインクリニックと提携している「DMH」および「DMC」クリニックです。これらの施設では、直接来院しての診療や、オンライン診療のサポートを受けることができます。
ここでは、2025年現在で実際に利用できるDMM関連の実店舗情報を地域別に整理し、それぞれの施設の特徴や役割を詳しく紹介していきます。
■ DMH新橋クリニック(東京都港区)
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住所:東京都港区西新橋2-8-6 住友不動産日比谷ビル 4階
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最寄駅:JR新橋駅、都営三田線内幸町駅
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電話番号:0120-703-013
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診療内容:オンライン診療の補助、自由診療分野での対面対応(予約制)
DMH新橋クリニックは、DMMオンラインクリニックの対面診療に対応している東京拠点です。都心の中心に位置しており、ビジネスマンやOLなど都内在住・勤務の人にとってアクセスしやすい場所にあります。完全予約制で、対面診療を希望する場合や本人確認に問題があったケースなどに活用されます。
オンライン診療に不安がある方が、実際に医師の顔を見ながら診察を受けたい場合や、処方薬の説明を直接受けたい場合にこの施設が選ばれることが多いです。
■ DMH大阪クリニック(大阪市北区)
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住所:大阪府大阪市北区梅田1-1-3 大阪駅前第3ビル 8階
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最寄駅:大阪駅・梅田駅から徒歩圏内
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電話番号:0120-697-060
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診療内容:DMMオンライン診療に付随する対面サポート、医薬品の直接受け取りも対応
大阪エリアでのDMMオンラインクリニック拠点がDMH大阪クリニックです。こちらもDMH新橋クリニックと同様、オンライン診療の補完機能として設けられており、特に大阪市24区内で行われている「最短3時間以内での薬配送サービス」の運営拠点でもあります。
駅チカで立地もよく、通院が必要な場合でも非常に利便性が高いクリニックです。実際に医師と話をしたい、服薬に不安がある、何らかの理由でオンライン診療ができなかったという場合の受け皿として機能しています。
■ DMCグループが運営する提携クリニック一覧
DMMオンラインクリニックのサービス基盤を支えるもう一つの重要な医療法人が「医療法人社団DMC」です。DMCは、オンライン診療に特化した複数の実店舗クリニックを運営しており、オンラインプラットフォームの運用支援と医師の診療を担っています。
▼ DMC新六本木クリニック
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東京都港区に位置し、旧「新六本木クリニック」が医療法人化された施設。
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2016年からオンライン診療を提供してきた先駆的存在。
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DMMオンラインクリニックと連携し、処方薬の配送・診療を支援。
▼ DMC新宿クリニック
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オンライン診療対応のサテライト型クリニックとして開設。
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多科目対応で、自由診療系にも強みあり。
▼ DMC大阪クリニック
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大阪市北区に設立された新拠点。
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DMMオンラインクリニックの処方薬即日配送にも対応する中心的な役割を担う。
これらのクリニックは、オンライン診療の運用だけでなく、必要に応じて対面での診療にも対応しており、「オンラインとオフラインのハイブリッド型医療」を実現する重要なインフラとなっています。
■ キュアステーショングループとの関係
DMMオンラインクリニックと直接的な運営関係にはないものの、同じ医療法人が運営する「キュアステーション」ブランドのクリニックも紹介に値します。これらは商業施設内など通いやすい立地にあり、主に内科診療や一般診療を行っています。
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イオンモール北戸田クリニック(埼玉県戸田市)
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イオン葛西クリニック(東京都江戸川区)
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六本木クリニック(東京都港区)
これらの施設では、直接DMMオンラインクリニックの診療が行われているわけではありませんが、同じ医療法人(医療法人社団DMH)の理念のもとで運営されており、「アクセスの良さ」「短い待ち時間」「安心の医療提供」が共通する特徴です。
■ 店舗型クリニックはオンライン診療を補完する役割
DMMオンラインクリニックの強みはオンライン完結型である点ですが、対面の拠点を持つことで信頼性や安心感も確保しています。とくに本人確認や重要な服薬指導、またオンラインに不慣れな高齢者層などにとって、こうした店舗型施設の存在は非常に心強い要素となっています。
DMHやDMCによる拠点クリニックの拡充は、今後の全国展開にもつながる基盤であり、医療×ITの融合によって医療サービスの利便性と安心を両立するモデルケースとも言えるでしょう。
対面診療はどんな時に必要?DMMオンラインクリニックの使い分け方
DMMオンラインクリニックは、スマートフォンやPCを使って自宅から簡単に医師の診察を受けることができる非常に便利な医療サービスです。特に自由診療分野では、初診からオンラインで完結する仕組みが確立されており、通院する必要がない点で多くの支持を得ています。しかし、どんな状況でもオンライン診療だけで完結するわけではなく、時には対面診療が必要になるケースも存在します。
このセクションでは、オンライン診療と対面診療の違いや、それぞれの適切な使い分け方について詳しく解説します。
■ DMMオンラインクリニックのオンライン診療が適しているケース
まずは、オンライン診療で十分に対応できる主なケースを紹介します。
1. 継続処方・再診
一度診察を受けて薬が処方された後の継続利用(例:AGA治療やダイエット処方)は、基本的にオンライン診療で完結できます。問診を経たうえで、医師が継続処方を許可すれば、追加の対面診療は不要です。
2. 軽微な症状や定型的な自由診療
ピルやアフターピル、メディカルアイラッシュなど、標準化された自由診療の処方は、問診と簡単な診察で対応できることが多く、オンラインでの診療に適しています。
3. 忙しい人・通院が難しい人
仕事や育児、遠方に住んでいるなどの理由で医療機関に足を運ぶのが難しい人にとって、オンライン診療は大きな助けとなります。DMMオンラインクリニックでは、平日夜間や土日も対応しているため、ライフスタイルに合わせた柔軟な利用が可能です。
■ 対面診療が推奨されるケース
一方で、以下のようなケースではオンライン診療だけでは不十分で、対面診療が必要になることがあります。
1. 医師の判断で追加検査が必要な場合
例えば、発疹や感染症の疑いなど、目視だけで判断しきれない症状の場合には、医師が「来院して検査を受けてください」と提案することがあります。特に性感染症や皮膚トラブルなど、視認・検査が診断に直結する症状では対面診察が優先されます。
2. 本人確認に不備がある場合
DMMオンラインクリニックでは、本人確認書類を提出したうえで診察が行われますが、提出書類に不備がある、本人確認がオンライン上で難しいと判断された場合などは、実際の来院を求められることがあります。
3. 処方薬の使用に際して医師による詳細説明が必要な場合
特定の医薬品に関しては、副作用のリスクや服用上の注意点が多いため、オンラインではなく対面での説明が適切とされることがあります。患者の理解度を直接確認することが求められる場合には、対面診療が実施されることがあります。
■ 使い分けの判断はどうする?
DMMオンラインクリニックでは、診療の流れの中で医師が「オンライン診療で対応可能か」または「対面診療が必要か」を判断してくれます。利用者があらかじめ「これはオンラインで診られるのか?」と迷う必要はありません。
以下のようなステップで進行します。
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サイト上で診療科目と予約時間を選択
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問診フォームに沿って症状を入力
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医師がビデオ通話で症状を確認
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必要に応じて「来院をお願いします」と案内される
つまり、初めから「オンラインだけで完了させる」ことに固執する必要はなく、状況に応じて柔軟に切り替えることが推奨されているというのがDMMオンラインクリニックの基本方針です。
■ 対面診療へのスムーズな移行もサポート
DMMオンラインクリニックでは、提携しているDMH・DMCの各クリニックでの対面診療も視野に入れたシステムを整えています。たとえば、以下のような対応が可能です。
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オンライン診察後に「最寄りの提携クリニックで診察希望」と申し出る
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医師からの紹介状を受け、直接来院して追加診察を受ける
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診察内容に応じて、他院への紹介対応もあり(自由診療以外の医療が必要な場合)
また、東京・大阪に所在するDMHクリニックでは、予約制でスムーズな来院対応が可能となっており、「待ち時間が長い」「どのクリニックに行けばよいか分からない」といった不安も少ないのが特長です。
■ 患者主導で「オンライン→対面」も選択できる柔軟性
診察時に「やっぱり直接話したい」と思った場合、オンラインの途中でも「対面での診察を希望したい」と申し出ることができます。DMMオンラインクリニックは、患者が自分にとって最適な診療スタイルを選べるよう、常に利用者目線のサービス設計を心がけています。
対面とオンライン、それぞれに長所・短所があるからこそ、状況や目的に応じて「選べる医療」という考え方が重要です。
各クリニックの立地・アクセス情報と利便性の評価
DMMオンラインクリニックの最大の魅力はオンライン完結型の診療サービスですが、対面診療のニーズに応えるため、東京都と大阪府に拠点を設けています。実際に対面で診療を受けたい場合や、本人確認・処方上の理由などで来院が求められた際には、提携クリニックに足を運ぶことが可能です。
本項では、DMMオンラインクリニックが提携するDMH・DMCの拠点クリニックの所在地・アクセス性・周辺環境などを詳しく解説し、どれほど利用しやすいかを評価していきます。
■ DMH新橋クリニック(東京都港区)
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住所:東京都港区西新橋2-8-6 住友不動産日比谷ビル 4階
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アクセス:JR「新橋駅」徒歩7分/都営三田線「内幸町駅」徒歩5分
都内のビジネス街の中心に位置するDMH新橋クリニックは、特に働くビジネスパーソンにとって通いやすい立地です。新橋駅から徒歩圏内で、東京メトロやJR線・都営線からの乗り換えもしやすく、昼休みや退勤後の時間に予約を入れて立ち寄るユーザーも少なくありません。
周囲にはオフィスビルやカフェ、コンビニが多数あり、利便性の高い環境が整っています。また、完全予約制で待ち時間も短く、短時間での受診が可能です。
■ DMH大阪クリニック(大阪市北区)
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住所:大阪府大阪市北区梅田1-1-3 大阪駅前第3ビル 8階
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アクセス:JR「大阪駅」徒歩7分/阪急「梅田駅」徒歩5分
大阪駅前のランドマーク的な存在である第3ビルに入っているDMH大阪クリニックは、関西エリアの中心部から非常にアクセスが良い点が特長です。大阪メトロ御堂筋線・谷町線・四つ橋線、JR、阪急、阪神の各線からも徒歩圏内と、あらゆる方面からのアクセスに優れています。
周囲には商業施設やカフェ、銀行、郵便局などが揃っており、仕事帰りや外出ついでの受診がしやすい好立地となっています。大阪市内24区への薬の当日配送対応もここを拠点に行われており、オンラインとリアルを支える中核的なクリニックといえます。
■ DMC新六本木クリニック(東京都港区)
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住所:東京都港区六本木7丁目
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アクセス:東京メトロ日比谷線「六本木駅」徒歩4分
旧「新六本木クリニック」として、オンライン診療の先駆けとして知られるこのクリニックは、現在は医療法人社団DMCの一拠点として再編され、DMMオンラインクリニックのサポート施設としても機能しています。
六本木という土地柄、ビジネス・観光・居住エリアとして多様な層のニーズに対応できる立地にあり、交通の便も非常に良いです。駅近で、かつ大通りに面しており、初めて訪れる方でも迷わずたどり着ける点が評価されています。
■ DMC新宿クリニック(東京都新宿区)
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住所:東京都新宿区内(詳細非公開)
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アクセス:JR・東京メトロ「新宿駅」周辺
新宿エリアにあるDMC新宿クリニックは、自由診療に対応したオンライン特化型クリニックですが、対面診療への移行も可能です。詳細な所在地は非公開ですが、新宿駅からのアクセスを前提に設計されており、利便性は高いとされています。
このエリアは都内屈指の交通のハブであり、東京近郊からの来院者も多く、広範囲にわたる利用者のアクセスをサポートしています。
■ 周辺施設と利便性評価
各クリニックともに以下のような共通した利便性が評価されています:
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駅から徒歩圏内(5〜7分以内)
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複数路線からアクセス可能
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商業施設や飲食店が隣接しており待機中の過ごしやすさあり
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都市中心部で夜間でも安心して通院できるエリア
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完全予約制で混雑を回避可能
オンラインでの診療が中心とはいえ、「もし来院することになっても安心」という立地戦略が取られており、利用者の不安を和らげる設計がなされています。
■ 地方在住者への対応は?
現在のところ、DMMオンラインクリニックの対面施設は東京都と大阪府に集中していますが、それ以外の地域に住む方もサービスを問題なく利用できます。処方薬は全国配送に対応しており、診察内容や医師の判断によっては、近隣の医療機関を紹介されるケースもあります。
地方在住者のために、DMMオンラインクリニックではバイク便を使わない配送(宅急便・ヤマト運輸など)による翌日配送にも対応しており、「距離がある=不便」という状況にならないよう配慮されています。
このように、DMMオンラインクリニックの提携施設は、立地・アクセス・利便性において非常に優れた環境にあり、オンラインとオフラインをつなぐ重要な役割を担っています。クリニックの所在地に不安がある方でも安心して利用できるサービス体制が整っているため、安心してオンライン診療を始めることができます。
今後の展望|DMMオンラインクリニックは全国展開するのか?
DMMオンラインクリニックは、オンライン診療という新しい医療体験を提供する先駆的なサービスとして、多くの注目を集めてきました。2021年のサービス開始以来、首都圏・関西圏を中心に展開を進め、オンラインとオフラインの両面での医療提供体制を構築しています。
現在、対面診療が可能な拠点は「東京都(新橋・六本木・新宿)」「大阪府(梅田)」に集中しており、全国規模での展開は限定的です。しかし、DMMオンラインクリニックの将来像を考えるうえで、以下の観点から全国展開の可能性は非常に高いと考えられます。
■ 政府の「オンライン診療推進政策」との親和性
日本政府は近年、医療の地域格差解消や、医師不足地域への対策としてオンライン診療の導入・普及を強く推奨しています。特に新型コロナウイルスの流行以降、オンライン診療のニーズは急増し、法律や制度もそれに対応する形で整備が進められてきました。
この流れに沿って、DMMオンラインクリニックもすでに「東京都23区」「大阪市24区」で最短3時間以内の処方薬配送を実現。今後は名古屋市、福岡市、札幌市などの政令指定都市にもこの仕組みを拡大する可能性が十分あります。
また、慢性的な病院不足や高齢化が進行する地方に対し、オンライン診療が「かかりつけ医」機能を一部代替するものとして導入される可能性が高く、DMMの技術力を活かせるフィールドはまだ広がっています。
■ 医療法人DMCとの連携強化によるインフラ構築
DMMオンラインクリニックの裏側では、医療法人社団DMC(旧・新六本木クリニック)が診療実務や医師ネットワークを担当しています。このDMCは、オンライン診療に特化した複数のクリニック(新六本木・新宿・大阪)を運営しており、医師の教育・システム運用・安全性管理において高い水準を維持しています。
今後DMCが新たに地方拠点を開設すれば、DMMオンラインクリニックの対応エリアはそのまま拡大する構造です。DMMが得意とする「プラットフォーム設計」とDMCの「医療提供体制」の融合により、地方都市への展開もスムーズに行える基盤がすでに整っています。
■ 提携医療機関の拡充とハブクリニック構想
DMMオンラインクリニックは、単に新しい施設を建てるのではなく、既存の医療機関と提携する形でネットワークを広げる戦略も視野に入れています。すでに「紹介状対応」や「他院との連携」も実施されており、地域に根差した医療機関との連動を通じて、オンラインとオフラインのハイブリッド医療体制を広げていく方針です。
特に今後期待されるのが、地域ごとに「ハブクリニック(中核診療所)」を設けることで、特定の地域を対象にオンライン診療・薬配送・対面診察のすべてを完結できる仕組みの構築です。これにより、東京・大阪に次ぐ第三・第四の主要拠点が誕生する可能性があります。
■ 利用者ニーズの変化と全国的な潜在需要
スマートフォンが当たり前になった現代において、医療もまた“選べる時代”に突入しています。通院の手間を省きたい、移動が困難、仕事が忙しい、子育て中など、さまざまなライフスタイルに対応できるオンライン診療のニーズは今後も増加していくと予想されます。
特に地方においては、近くに病院が少ない、診療科が限られているといった課題があり、DMMオンラインクリニックのサービスが“地域格差の是正”という観点からも有効に機能すると期待されています。
地方在住でも、ネット回線さえあれば利用できるというDMMのサービス設計は、今後の全国展開にとって非常に強力な武器です。
■ 物流システムの進化による全国配送体制の確立
現在、DMMオンラインクリニックでは東京都23区・大阪市24区で最短3時間以内の薬配送を実現しています。今後、この“即日配送スキーム”を地方に展開するうえで鍵となるのが、地域別の拠点構築と物流会社との提携です。
ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便など大手物流会社と連携することで、現在でも翌日配送が全国に対応できている状況ですが、さらに一歩進めて「地域拠点からの当日配送」体制を構築できれば、サービスの魅力は一気に全国レベルへと拡大します。
■ 全国展開への課題と今後の注目点
もちろん、全国展開には以下のような課題も存在します:
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医師の確保と地域ごとの診療体制
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地域住民のオンライン診療への理解と普及活動
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処方薬の保管・配送体制の整備
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自由診療に対するエリアごとの法的・倫理的判断
これらの課題をクリアしていくために、DMMは今後さらに医療法人や地方自治体と連携を深め、信頼性と利便性を両立したサービスモデルの構築に注力していくと見られます。
まとめ
現在は東京・大阪を中心とした展開ではあるものの、DMMオンラインクリニックの提供する利便性や将来性を考えれば、全国展開は時間の問題と言えるでしょう。医療の未来を変えるこのサービスが、今後どこまで進化するのか――地方ユーザーを含むすべての利用者にとって、大きな期待が寄せられています。