オンライン診療の利用率はどのくらい?最新データから読み解く現状
コロナ禍を契機として急速に普及した「オンライン診療」は、今や地域や年代を問わず新たな医療インフラとして注目を集めています。しかし、実際のところオンライン診療はどのくらいの人に利用されているのでしょうか?また、医療機関の対応状況はどこまで進んでいるのでしょうか?ここでは、信頼性の高い公的データをもとに、オンライン診療の“利用率の現在地”を詳しく掘り下げていきます。
オンライン診療の医療機関登録率は「約16%」
まず、医療機関側の導入状況を見てみましょう。厚生労働省が発表した「電話・オンライン診療の実績の検証の結果(令和5年3月末時点)」によると、電話や情報通信機器を用いた診療が可能であると登録している医療機関は、全国で18,121施設。これは全国の病院・診療所(計約113,000施設)のうち**約16.0%**にあたります[厚生労働省PDF資料]。
この数値は、2020年4月時点での約10,800件(約9.1%)から着実に伸びており、コロナ禍を機に急速な拡大があったことを示しています。しかし、全体の8割以上の医療機関ではまだオンライン診療に対応していない現実もあり、導入の「裾野」は広がりつつも、まだ過渡期であることがわかります。
患者の利用率は約18〜30%にとどまる
一方で、患者側の利用実態を見てみると、数字はやや控えめです。MMD研究所が2020年10月〜11月にかけて実施した調査では、オンライン診療の利用経験率は18%という結果が出ています[MMD研究所]。2021年〜2023年にかけて多少の増加が見られたものの、2025年現在でも利用経験者は3割に届くかどうかというレベルにとどまっています。
これは、オンライン診療という手段が広く認知されてきたにもかかわらず、実際の利用には慎重な姿勢を示す人が多いことを物語っています。「医師に直接診てもらいたい」「操作が不安」「保険適用や費用がわかりにくい」など、オンライン診療特有のハードルが依然として存在しています。
年代別に見ると「若年層」が中心
では、どのような層がオンライン診療を利用しているのでしょうか?総務省の「令和3年情報通信白書」によれば、オンライン診療の受診者の約75%が40歳以下であることが明らかになっています[総務省|情報通信白書]。
これは、デジタル機器に慣れている層が多いことや、働き盛りで多忙な生活を送る世代にとって通院の負担が大きいことなどが要因と考えられます。逆に言えば、高齢層の利用はまだ限定的であり、オンライン診療の利便性が最も求められるはずの高齢者層でこそ、今後の活用促進が求められています。
都市部を中心に普及が加速
地域別の状況も見てみましょう。前述の厚労省データでは、オンライン診療の導入率が高いのは、東京都(29.3%)、福井県(42.8%)、**佐賀県(36.3%)**など。一方で、三重県(4.8%)、**和歌山県(8.2%)**など導入が進んでいない地域も存在しています。
人口密度が高く、医療機関のIT化が進んでいる都市部では比較的スムーズに導入が進んでいるのに対し、地方や過疎地では設備投資や医師側のITリテラシーの問題などが障壁となっている可能性があります。
オンライン診療の今後に向けて
現在のオンライン診療の利用率は、制度が後押ししてきた割には「まだ半数にも届いていない」というのが実情です。しかしながら、厚生労働省が研修修了医師の数を公開している通り、2025年時点でオンライン診療研修を修了した医師は46,000人超にのぼり、体制面は急速に整備されてきています。
医療のデジタルシフトが加速するなか、オンライン診療は今後「一時的な措置」ではなく「選ばれる診療スタイル」として定着していくと考えられます。診療報酬制度のさらなる見直しや、患者・医師双方の教育機会の充実が、利用率の本格的な向上につながっていくでしょう。
オンライン診療に対応している医療機関の割合と推移|普及の背景と地域差に注目
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、これまで一部に限られていた「オンライン診療」は、医療制度上の特例措置と診療報酬の見直しにより一気に実施範囲が広がりました。オンライン診療の普及は、患者側だけでなく医療機関側の導入状況に大きく左右されます。ここでは、厚生労働省の公的資料をもとに、医療機関での導入率の推移とその背景について詳しく解説します。
2023年時点の導入率は「16.0%」
厚生労働省が公表したデータによると、2023年3月末時点で電話診療または情報通信機器(オンライン)による診療に対応していると登録された医療機関は18,121件。これは全国の病院および一般診療所を合わせた約113,000施設中の**16.0%**にあたります[厚生労働省PDF資料]。
導入施設数は2020年4月時点では10,812件(約9.1%)だったことから、約3年でおよそ7,300件の医療機関が新たに導入したことになります。わずか数年でこれだけの伸びを見せたのは、やはりコロナ禍による診療形態の多様化と、行政による支援策の効果が大きかったといえるでしょう。
導入率の上昇は2020年〜2021年に集中
以下は、各年ごとのオンライン診療対応医療機関数の主な推移です。
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2020年4月:10,812件(9.1%)
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2021年3月:16,810件(約15.0%)
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2022年3月:17,725件(約15.7%)
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2023年3月:18,121件(約16.0%)
2020年4月から2021年3月までの1年間で、6,000件近くの医療機関が新規に対応を始めており、普及の「加速期」はこの時期に集中していたことがわかります。それ以降はやや緩やかな上昇となり、安定期に入っていると言えるでしょう。
この流れは、厚労省による「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の緩和(2020年4月10日改訂)と、「令和4年度診療報酬改定」による初診・再診報酬の明確化によって、制度面の整備が進んだことも背景にあります。
都道府県ごとに差が大きい
都道府県別に導入率を見てみると、地域差が顕著です。2023年時点の導入医療機関数と導入率の高い例・低い例は以下の通りです。
導入率が高い都道府県(2023年3月時点):
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福井県:42.8%
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佐賀県:36.3%
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高知県:38.7%
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熊本県:30.6%
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東京都:29.3%
導入率が低い都道府県:
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三重県:4.8%
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奈良県:8.2%
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山口県:9.0%
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滋賀県:9.3%
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青森県:13.5%
この差にはいくつかの要因があると考えられます。都市部では医療機関の数も多く、診療体制の多様化や患者ニーズへの対応力も高いため、オンライン診療を導入しやすい環境にあります。さらに、都心部の患者は仕事や通学の都合で通院が難しいケースも多く、オンライン診療の需要が自然と高まっているのも背景にあります。
一方、地方では医療機関のIT化が進んでいないケースや、高齢化によるITツールの普及率の低さも相まって、導入率が伸び悩んでいる側面があります。
特例措置から常設制度への移行がカギ
2020年4月以降に認められたオンライン診療の多くは、「時限的・特例的な扱い」であり、初診対応や遠隔診療の条件において緩和措置が取られていました。しかし、2022年以降はこれらの特例が制度として常設される方向にシフトしています。
とくに以下の点が注目されます:
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オンライン初診料:251点(対面より低いが明確な設定)
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再診料・外来診療料:73点(特例から恒常化へ)
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オンライン医学管理料:対面の87%を上限に設定
これらにより、医療機関としても導入メリットが明確化し、継続的な診療形態の一つとしてオンライン診療を位置づけるケースが増えてきています。
年代別のオンライン診療の利用傾向とは?若年層に多い理由
オンライン診療は「通院せずに診察が受けられる新しい医療のかたち」として急速に普及しつつありますが、実際にどのような年代の人々が利用しているのでしょうか?このセクションでは、年齢層ごとの利用傾向を公的データに基づいて分析し、特に若年層で利用率が高い理由を詳しく解説します。
若年層(20~40代)がオンライン診療の中心ユーザー
総務省の『令和3年 情報通信白書』によると、オンライン診療(電話診療含む)の受診者のうち40歳以下の利用者が全体の約75%を占めていることが明らかになっています[総務省|情報通信白書]。
この数字は、オンライン診療が“若い世代を中心に支持されている”という実態を示しており、高齢層では依然として対面診療が主流であることを裏付けています。
若年層に利用が集中する4つの理由
なぜ若年層でオンライン診療の利用が高いのでしょうか?以下にその主な要因をまとめます。
1. ITリテラシーの高さ
20代~40代は、スマートフォンやタブレット、PCを日常的に活用している世代であり、ZoomやLINE通話などのビデオ通話アプリにも慣れています。オンライン診療で求められる「予約システムの利用」「オンライン問診票の記入」「ビデオ通話による診察」といった一連の流れも、特に抵抗なくこなせる層です。
2. 時間の制約が大きい世代
社会人として働きながら、あるいは子育てや家庭の両立に追われる30代~40代の層にとって、わざわざ病院へ出向くことは大きな負担です。特に軽微な症状や継続処方(例:ピルや花粉症薬、AGA治療薬など)の受診では、オンラインで完結できる診療が歓迎されやすく、需要と利便性が一致しています。
3. 通院へのハードルが心理的に高い治療内容
皮膚科や精神科、婦人科系など、プライベートな悩みを抱える診療科目では、対面での診療を避けたいと考える人も多くいます。こうした領域ではオンライン診療が特に好まれており、「自宅でこっそり相談できる」というメリットが、若い世代のニーズと強く合致しています。
4. 健康への意識が高い傾向
コロナ禍以降、20~40代の間では「健康投資」への意識が高まり、定期的な服薬や症状チェックを目的としたライトな医療ニーズが増加しています。これらの層では、「病院に行くほどではないけど、念のため医師に相談したい」という行動が増えており、まさにオンライン診療の用途にフィットしています。
高齢層の利用が進まない背景
一方で、高齢者層(60代以上)におけるオンライン診療の利用率は依然として低調です。その主な理由には以下のようなものがあります。
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IT機器の操作に不慣れ
スマホやタブレットの使い方に不安があるため、ログインや通話設定でつまずくケースが多い。 -
対面診療の信頼感が根強い
医師と直接会って話すことに価値を感じており、オンライン診療では安心感が得られないと感じる。 -
基礎疾患や慢性病が多い
薬剤の調整や複数の科目を受診する必要があるため、オンラインでは対応しきれないことが多い。
このような背景から、オンライン診療の“利便性”を活かしきれていない現状が高齢層にはあります。
オンライン診療の「ミドル世代」への波及に期待
現在、オンライン診療の中心は若年層ですが、今後は40~60代のミドル層への利用拡大がカギになります。この年代層は、今後の医療費増加や通院負担が現実的な課題となることから、制度面・教育面のサポート次第では急速にオンライン診療にシフトする可能性を秘めています。
特に「オンライン再診」や「定期処方のオンライン管理」が制度として定着すれば、高血圧や糖尿病などの慢性疾患を抱えるミドル世代にとっても、移動時間や待ち時間の削減は大きなメリットとなるでしょう。
患者満足度も高い傾向に
厚生労働省の調査によると、オンライン診療を受けた患者の66.7%が「オンライン診療がもっと普及してほしい」と回答しています[厚生労働省|患者調査]。このデータからも、オンライン診療は単なる代替手段ではなく、利用者の満足度が高く、「選ばれる医療スタイル」として浸透しつつあることがわかります。
オンライン診療の課題と可能性|普及を妨げる要因とは?
オンライン診療は新しい医療の選択肢として注目を集め、都市部を中心に導入が進んできました。しかし、現時点での利用率は依然として3割未満であり、全国的な普及には至っていません。これは単なる制度上の問題にとどまらず、医療機関・患者双方における“課題”が存在しているためです。本章では、オンライン診療の普及を妨げている要因と、今後に向けた可能性を整理して解説します。
医療機関側の課題:システム整備と人的リソース
■ 通信トラブル・IT設備の不備
オンライン診療における最も大きな課題の一つが、通信環境の不安定さです。厚生労働省の調査では、医療機関がオンライン診療導入にあたって経験したトラブルの上位に、「通信が途切れて診療にならなかった」「ビデオ通話が途中で切れた」などが挙がっています。
こうしたトラブルは、医師側のWi-Fi環境や端末スペックの影響もありますが、患者側の通信状況によっても左右されます。とくに高齢者などでスマホ操作に不慣れな層では、設定ミスや音声トラブルが起きやすく、再診すら成立しないケースも見られます。
■ システム導入コストの壁
また、オンライン診療を始めるためには、診療対応システムの導入や維持費用がかかります。とくに中小規模のクリニックや個人医院では、費用対効果が見込めないと判断され、導入をためらう声も少なくありません。
加えて、診療報酬の設定が対面より低めに設計されている(例:初診料は対面288点に対しオンライン251点)ことから、収益的なインセンティブが働きにくい現実もあります。
■ 診療体制・人材の確保
オンライン診療では、通常の外来と並行してビデオ診療を行うため、専任のスタッフや時間枠の確保が必要になります。患者との通信サポートや、電子カルテとの連携をスムーズに行うスキルを持つ人材が求められるため、人的リソースに余裕がない施設では運用が困難になることもあります。
患者側の課題:不安と認知不足
■ ITリテラシーの格差
オンライン診療を利用するには、インターネット接続・カメラ付き端末・予約システムの操作など、一定のITスキルが必要です。特に高齢層では、こうした操作に慣れていない人も多く、「難しそう」「操作が心配」と感じて利用を敬遠するケースがあります。
■ 信頼感の不足
オンライン診療は、対面と違って医師と直接会話することができないため、「本当にちゃんと診てもらえるのか」「見落としがないか不安」といった声が一定数存在します。特に初診の場合には、問診だけで症状を判断する限界があるため、「自分の症状はオンラインに適していないのでは」と感じる人も少なくありません。
■ 薬の受け取りに対する不安
オンライン診療で処方された薬は、原則として自宅やコンビニに配送されますが、**「薬がきちんと届くのか」「対面での服薬指導がなくて大丈夫なのか」**といった不安も見られます。このあたりのオペレーション体制がしっかり整備されていないと、リピート利用が定着しづらい要因となります。
制度面の課題と進展
■ 初診からの制限付き運用
厚生労働省が定める「オンライン診療の適切な実施に関する指針」では、初診からのオンライン診療は医師の責任の下で医学的に可能と判断される場合に限り、特定薬の処方を除いて許可されています[厚労省ガイドライン]。
麻薬や向精神薬、抗がん剤などのハイリスク薬はオンラインでは処方できないため、患者にとっては「結局病院に行く必要がある」と感じることもあり、フルリモート化の壁となっています。
■ 診療報酬体系の見直し
令和4年度の診療報酬改定では、オンライン初診料や再診料、外来診療料が明確化されましたが、まだ対面診療に比べて低く設定されている点が、導入促進の障壁とされています。診療の質を保ちつつ、オンライン診療にも適正な報酬が設けられることが望まれます。
今後の可能性:テクノロジーと制度の進化で利用促進へ
オンライン診療が本格的に普及するためには、次のような「変化」が必要とされています。
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AI問診や遠隔バイタル測定デバイスとの連携
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本人確認・保険証確認のオンライン完結化
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高齢者向けスマホサポート機能の拡充
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電子処方箋・薬局連携のシームレス化
これらが整備されれば、患者にとっての「使いやすさ」と「安心感」が格段に向上し、継続的な利用につながると考えられます。
今後のオンライン診療の展望|利用率はどこまで伸びるか?
オンライン診療は、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に急速に認知され、一定の普及を遂げました。2025年時点では医療機関の登録率が約16%、患者側の利用経験率はおよそ18〜30%程度と推定されていますが、まだ「誰もが当たり前に使う医療手段」とは言い切れない状況です。しかし、今後の社会・制度・技術の変化によって、オンライン診療の利用率がさらに拡大していく可能性は十分にあります。この章では、今後の展望とともに、どこまで利用が進むのかを探っていきます。
長期的に見れば「50%超え」も現実的
2023年までのデータを振り返ると、オンライン診療の普及には「制度改定」「パンデミック」「IT技術の普及」という3つの大きな後押しがありました。2022年以降、診療報酬体系にオンライン初診料(251点)や再診料(73点)などが明記され、制度的な整備が進んだ今、次の課題は“どれだけ利用しやすくなるか”にシフトしています。
現状では、都心部・若年層に利用が偏っていますが、地方・高齢者層にも適応が進み、慢性疾患や在宅療養、定期的な服薬などのニーズと結びつけば、今後全体の利用率が50%を超える水準も見えてくるでしょう。
とくに医療費が高騰し続ける日本では、移動・通院コストを抑えられるオンライン診療は、国の医療政策の一部としても不可欠な存在となることが見込まれます。
可能性を広げる4つのキーワード
1. 在宅医療との連携強化
高齢化が進む中、自宅にいながら医師の診療を受ける「在宅医療」が注目されています。オンライン診療をこの在宅医療の一環として活用すれば、通院困難な高齢者や障がい者にとって、大きなメリットとなります。
実際に、厚労省の制度では在宅時医学総合管理料にオンライン診療を組み合わせた報酬設定が明示されており、今後さらにこの領域は拡大が期待されます[出典:厚労省|令和4年度診療報酬改定]。
2. 電子処方箋の普及
2023年1月からスタートした「電子処方箋」制度は、薬局と医療機関、患者をデジタルでつなぐ仕組みとして、オンライン診療との親和性が非常に高いです。これにより、診察→処方→服薬指導→薬受け取りまでを完全にオンラインで完結できる体制が整いつつあります。
配送先も「自宅」「コンビニ」「ヤマト営業所」など複数選べるようになってきており、患者側の利便性が一段と向上しています。
3. 地方医療の再構築
医師不足・過疎化が進む地方では、地域医療の維持が大きな課題となっています。オンライン診療を活用することで、**都市部の専門医が遠隔地の患者を診察する“地域連携モデル”**が実現可能です。
さらに、道府県レベルでの「遠隔医療センター」構想や、「オンライン外来支援補助金」などの導入が進めば、地方における導入率は飛躍的に上昇すると予測されます。
4. AIとの統合的活用
AIによる問診システムや、スマートデバイス(スマートウォッチ、血圧計、心拍計など)と連動したバイタル管理が進化すれば、**“事前に健康データを共有した上での診察”**が実現します。
これにより、限られた診療時間内でも効率的な診察が可能となり、オンライン診療の品質向上にもつながります。特に慢性疾患の患者にとっては、定期的な経過観察と投薬管理において最適な診療体制を構築できるでしょう。
利用拡大のために必要な条件とは?
オンライン診療が国民全体に定着するためには、以下の3つの整備が不可欠です。
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制度のさらなる常態化
現在でも一部に「特例」扱いの診療項目が残っており、これを恒久的な制度へと昇華させることが必要です。 -
診療報酬の適正化
対面診療よりも低い報酬設定が続けば、医療機関側の導入インセンティブが生まれません。医師の負担に見合った報酬体系の整備が求められます。 -
ITリテラシーへのサポート拡充
高齢者や障がい者、スマホ操作に不慣れな層への支援体制が求められます。簡易マニュアルや電話予約受付、ICT支援員の派遣など、利用者に寄り添った施策が重要です。
まとめ:オンライン診療は医療の“もうひとつの標準”へ
今後のオンライン診療は、「補助的な診療手段」から「対面と並ぶスタンダード」へと進化していく過程にあります。2025年以降、在宅医療との連携、電子処方の定着、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展によって、オンライン診療は地域・世代を問わず活用される時代へと向かうでしょう。
目標となる利用率50%超は、決して夢物語ではなく、社会の課題と医療の変革が交差する中で、確実に視野に入ってきています。