【オンライン診療×自立支援医療】通院の経済負担を減らす公費制度とは?

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オンライン診療でも「自立支援医療」は使える?制度の基本を解説

こころの不調を抱える方にとって、治療を継続することはとても重要です。しかし、通院による医療費や薬代の負担が重く、治療を中断せざるを得ないケースも少なくありません。そんな中、経済的負担を軽減し、治療の継続をサポートする公的制度が「自立支援医療(精神通院医療)」です。

この制度は従来、対面での通院治療を前提として設計されていましたが、近年のオンライン診療の普及により、「オンライン診療でも自立支援医療は使えるのか?」という疑問を持つ方が増えています。

本記事では、自立支援医療制度の基本から、オンライン診療との関係、対象者の条件、利用にあたっての注意点までをわかりやすく解説します。


■ 自立支援医療制度(精神通院医療)とは?

自立支援医療制度とは、通院による精神疾患の治療にかかる医療費の自己負担を、公費によって軽減する制度です。対象となるのは、統合失調症、うつ病、双極性障害(躁うつ病)、不安障害、PTSD、てんかん、認知症、知的障害など、精神疾患の治療を継続的に受ける必要がある方です。

通常、外来診療や処方薬には公的医療保険が適用されますが、自己負担は3割です。この制度を利用することで、対象となる医療費の自己負担は1割まで軽減され、さらに所得に応じて月額の上限額も設定されます。


■ オンライン診療でも自立支援医療は使えるのか?

結論から言うと、オンライン診療でも条件を満たせば自立支援医療制度を利用できます。
ただし、利用にはいくつかの重要なポイントがあります。

● 指定医療機関であることが必須

自立支援医療は、「指定自立支援医療機関」での医療行為に限り適用されます。オンライン診療を受けたい医療機関がこの指定を受けているかどうかは、市区町村の障害福祉課や医療機関に確認する必要があります。

たとえば、近年増加している「心療内科特化型オンラインクリニック」の中には、指定を受けていないところもあります。そのため、「自立支援医療制度に対応していますか?」と事前に確認しましょう。

● 対象となる医療行為に限る

制度が適用されるのは、精神疾患の通院治療にかかわる外来診療、投薬、デイケア、訪問看護などの範囲です。**入院費用や保険適用外の自由診療(例:カウンセリングのみ)**は対象外となります。

● オンライン診療の特有の制限にも注意

厚生労働省の指針により、オンライン診療では初診での向精神薬の処方が原則禁止されており、診療の安全性確保のため、基礎疾患や服薬歴が不明な状態での診療には制限があります。
また、8日分以上の薬の処方も原則としてできません(再診などの条件付きで例外あり)[厚労省オンライン診療指針]。

つまり、制度としてオンライン診療でも適用可能ではありますが、診療内容や処方範囲に制限がある点を理解しておく必要があります。


■ 制度を利用するメリット

自立支援医療制度を活用することで、以下のようなメリットがあります。

医療費総額 通常の自己負担(3割) 自立支援医療利用(1割)
10,000円 3,000円 1,000円
30,000円 9,000円 3,000円

さらに、所得に応じた月ごとの上限負担額が設けられているため、安心して長期的に治療を継続できます。


■ オンライン診療で制度を使う際の注意点

オンライン診療を希望する場合は、次の点を必ず確認しておきましょう。

  • 医療機関が指定自立支援医療機関であるか

  • オンライン診療で対応可能な薬剤か

  • 自立支援医療の申請が済んでいるか

  • 受給者証と上限額管理票を診療時に提出できるか

制度を活用することで、自宅からの診療でも経済的な負担を軽減し、継続的な治療を受けられるようになります。忙しい方や通院が困難な方にとって、非常に大きな支援となるでしょう。

▼参考リンク

どんなオンライン診療が自立支援の対象?認定条件と制限事項

自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患を抱える方が継続的に治療を受けられるよう、公費で医療費の自己負担を軽減する制度です。近年では、通院のハードルを下げる手段として「オンライン診療」を利用する方が増えており、「オンライン診療でも自立支援医療が使えるかどうか」を気にする声も多く聞かれます。

結論から言うと、オンライン診療でも制度の対象になります。ただし、「すべてのオンライン診療で適用できるわけではない」点には注意が必要です。

この記事では、自立支援医療をオンライン診療で利用するための認定条件や、制度上の制限事項について詳しく解説します。


■ まず確認すべきは「指定自立支援医療機関」かどうか

自立支援医療制度を利用するには、治療を受ける医療機関や薬局が、各都道府県や指定都市によって認定された「指定自立支援医療機関」である必要があります。

これはオンライン診療であっても同様で、制度の対象となるのは指定医療機関がオンライン診療に対応している場合のみです。

たとえば、オンライン専門クリニックの中には、制度に未対応の医療機関もあります。受診前に、以下の方法で確認しておくことが重要です。

  • 各医療機関の公式サイトに「自立支援医療対応」「指定医療機関」と記載があるか確認

  • 通っている医療機関に直接問い合わせ

  • 自治体の障害福祉課・保健福祉課に「○○クリニックは自立支援医療の対象か?」と照会

また、「指定医療機関」は都道府県ごとに登録されているため、転居時には再申請や変更届が必要です。


■ オンライン診療には国の指針がある|使用に制限がある医薬品とは?

オンライン診療は便利な反面、対面診療と比べて得られる情報が限られるため、**厚生労働省が定めた「オンライン診療の適切な実施に関する指針(第3版)」**に基づいて実施されています。

【主な制限項目】

  1. 初診での向精神薬や麻薬等の処方は原則不可

    • 例:睡眠薬、抗不安薬、抗精神病薬など

    • 特に、安全管理が必要な薬剤(リスク区分医薬品)は、対面による十分な情報取得なしには処方できません。

  2. 8日分を超える処方は原則不可

    • 再診で医師が情報を十分に把握している場合を除き、8日以上の処方は禁止されています。

  3. オンライン初診が認められるのは「診療録を有する再診患者」など条件あり

    • つまり、初回からオンラインだけで完結する診療は基本的に想定されておらず、対面診療を組み合わせる前提が多いのです。

オンライン診療の指針については、以下の厚労省公式資料をご確認ください。
👉 厚生労働省|オンライン診療の適切な実施に関する指針(第3版)


■ オンライン診療でも自立支援医療が「対象」となる具体例

以下の条件を満たす場合、オンライン診療においても自立支援医療の対象となります。

条件 詳細
指定医療機関での診療 通院する医療機関が都道府県により「指定」されていること
保険診療であること 公的医療保険が適用される医療行為(自由診療は対象外)
対象疾患であること 統合失調症、うつ病、てんかん、認知症など(診断書に基づく)
再診であることが望ましい 初診では制限が多いため、再診のオンライン診療が現実的

■ 自立支援医療が使えないオンライン診療の例

以下のケースでは、自立支援医療が適用されません。

  • 医療機関が「指定医療機関」に登録されていない

  • 対象疾患以外(風邪・外傷など)での診療

  • 保険適用外の自由診療(例:カウンセリングのみ、特殊な検査)

  • 向精神薬の初診オンライン処方

なお、心理カウンセリングやコーチングなどの福祉支援サービスは制度の対象外です。これは、医療行為ではないためです。


■ オンライン診療での運用方法|受給者証と管理票の提示はどうする?

オンライン診療でも、制度を適用して医療費の軽減を受けるには、以下の2点を医療機関に提示する必要があります。

  • 自立支援医療受給者証

  • 自己負担上限額管理票

オンラインでの診療予約時や問診票送信時に、写真でアップロードしたり、LINEなどのチャットツールで提出したりするケースが一般的です。

また、月額上限に達した後の診療費については「上限額管理シール」の送付を受け、自身で台帳に貼るといった対応も必要です。


■ 制度の対象かどうかを確認し、無駄なく賢くオンライン診療を活用しよう

自立支援医療制度は、精神疾患のある方が通院による継続治療を続けやすくするための大切な支援制度です。オンライン診療でも活用可能ですが、医療機関が指定されていること、診療内容が制度の対象範囲に入っていることが条件です。

利用前に必ず、下記の確認を行いましょう。

  • 医療機関が「指定自立支援医療機関」であるか

  • 受ける診療が保険適用の精神通院治療に該当するか

  • 初診ではなく、再診であるか

  • 処方薬の内容に制限がないか

制度を正しく活用することで、通院に伴う経済的な負担を大きく軽減し、安定した治療を続けることが可能になります。


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「重度かつ継続」の認定でさらに負担軽減|その条件とは

自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患の治療を長期的に続ける方々にとって大きな経済的支援となる制度です。通常、医療費の自己負担が1割に軽減されるこの制度ですが、さらに対象者が「重度かつ継続」に該当すると判断された場合には、月々の自己負担額に上限が設定され、より一層の軽減が受けられます。

この「重度かつ継続」とはどのような条件で認定されるのか。この記事では、制度の基本、認定条件、所得ごとの上限額、申請時の注意点などを詳しく解説していきます。


■ 「重度かつ継続」とは何か?

「重度かつ継続」とは、精神疾患に対して高額かつ長期間にわたり医療を受ける必要がある方が対象となる区分です。精神医療の中でも、特に治療が長引きやすく、医療費負担が重くなりがちな方に対して、さらに負担軽減措置が講じられる仕組みです。

この区分に該当する場合、所得に応じた自己負担の上限額が設定されるため、ひと月にどれだけ通院しても、上限額を超える負担は発生しません。


■ 「重度かつ継続」と認定されるための主な条件

厚生労働省の定めるガイドラインでは、以下のいずれかの要件に該当する方が「重度かつ継続」の対象になります。

条件①:過去12か月以内に「高額療養費」の支給を3回以上受けている

  • 国民健康保険や社会保険での高額療養費制度の対象となった月が、直近1年間に3回以上ある方。

  • 通常、1か月の医療費が一定額を超えた場合に健康保険から払い戻しがある仕組みで、これが複数回にわたって発生していることが要件となります。

条件②:以下の精神疾患に該当する方(ICD-10コードで判断)

疾患分類(ICD-10) 主な疾患例
F0:器質性精神障害 認知症、高次脳機能障害など
F1:精神作用物質による障害 アルコール依存、薬物依存など
F2:統合失調症関連障害 統合失調症、妄想性障害など
F3:気分障害 うつ病、双極性障害など
G40:てんかん 脳波異常を伴うてんかん発作

上記の診断があり、かつ継続的な通院治療が必要とされている方が対象です。

条件③:精神科医が「継続的で計画的な通院治療が必要」と判断した場合

  • 医療機関の医師(3年以上精神医療を経験していることが原則)が、患者の症状や生活状況を見て「継続治療が必要」と文書で証明できる場合も対象。

  • 対象となる状態には、以下のようなものが含まれます。

    • 情動障害(気分の激しい変化)

    • 行動障害(自傷行為・攻撃的な行動など)

    • 不安・不穏状態(パニック発作、幻覚妄想状態など)


■ 所得に応じた負担上限額(2024年現在の例)

重度かつ継続と認定されると、所得区分ごとに以下のような月額負担上限が設定されます。

所得区分 世帯の状況 月額負担上限(重度かつ継続)
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得1 非課税、所得80万円以下 2,500円
低所得2 非課税、所得80万円超 5,000円
中間所得1 課税世帯(税額33,000円未満) 5,000円
中間所得2 課税世帯(税額33,000円〜235,000円未満) 10,000円
一定所得以上 課税世帯(税額235,000円以上) 20,000円(ただし通常の制度では対象外)

このように、重度かつ継続の認定を受けることで、医療費が1割負担になるだけでなく、1か月あたりの自己負担の限度額が大きく抑えられます。


■ 申請方法と必要書類

「重度かつ継続」として認定を受けるためには、通常の自立支援医療の申請に加えて、専用の診断書の様式を使用する必要があります。具体的には以下のような書類が必要です。

  • 自立支援医療(精神通院)診断書(「重度かつ継続」対応版)

  • 医師の意見書(上記診断書に含まれることが多い)

  • 自立支援医療支給認定申請書

  • 世帯の所得証明(課税・非課税証明書等)

  • 健康保険証の写し

  • マイナンバー確認書類

※一部の自治体では、前年の診断書や障害者手帳と併用することで診断書の省略が可能な場合もあります。詳細は市区町村の障害福祉課または精神保健福祉センターにお問い合わせください。


■ 更新・継続時のポイント

  • 受給者証の有効期間は原則1年以内

  • 更新時には診断書の提出が2年に1度で良いケースもあります

  • 病状や収入に変化がある場合は、更新前に担当課へ相談を

「重度かつ継続」の認定は、いったん受ければ永続的に続くものではなく、**毎年の更新時に再評価される可能性があります。**症状が安定している場合などは、通常の自立支援医療に戻ることもあります。


■ 該当すれば必ず申請を!重度かつ継続の認定で治療の継続が現実に

精神疾患の治療は、多くの場合において数か月〜数年にわたる長期戦となります。その中で、医療費の負担が重くのしかかると、治療の中断につながりかねません。

「重度かつ継続」の認定を受けることで、医療費が大幅に軽減され、無理なく治療を続ける環境が整います。認定には条件があるものの、高額療養費の実績がある方や、医師が継続治療の必要を認めた方は、積極的に申請することをおすすめします。


▼参考リンク

オンライン診療×自立支援医療の使い方|利用の流れと注意点

こころの不調を感じたとき、「通院がつらい」「仕事が忙しくて病院に行けない」などの理由で、受診を先延ばしにしてしまう方は少なくありません。そんなときに活用できるのが、スマートフォンやパソコンから医師の診察が受けられるオンライン診療です。

さらに、精神疾患で継続的な治療が必要な方は、医療費の負担を軽くするために自立支援医療(精神通院医療)制度を併用することで、金銭的な負担を抑えながら治療を受け続けることができます。

ここでは、「オンライン診療×自立支援医療」をスムーズに活用するための手順と、実際に利用する際の注意点をわかりやすく解説します。


■ ステップ①:自立支援医療制度の申請からスタート

まずは、自立支援医療制度の利用申請を行う必要があります。制度の利用には「自立支援医療受給者証」が必要で、これは住んでいる自治体の窓口(通常は障害福祉課や保健福祉課)で申請できます。

【必要な主な書類】

書類名 説明
自立支援医療支給認定申請書 市区町村窓口やWebから入手可
精神科医の診断書 指定様式あり。重度かつ継続に該当する場合は専用様式
健康保険証の写し 世帯全員分が必要な場合あり
世帯の所得証明書 課税証明書・非課税証明書など
マイナンバーの確認書類 個人番号カードなど(コピー可)

※診断書の作成には、別途5,000~6,000円前後の費用が発生することがあります。発行から3か月以内の提出が必要です。

【受給者証の交付までの期間】

申請から交付までは約1〜2か月が目安です。余裕を持って準備しましょう。


■ ステップ②:オンライン診療を行う「指定医療機関」の確認

自立支援医療が適用されるのは、**都道府県や指定都市が認定した「指定自立支援医療機関」**に限られます。オンライン診療で制度を利用するには、受診予定の医療機関がこの指定を受けている必要があります。

【確認方法】

  • 医療機関のホームページに「自立支援医療対応」「指定医療機関」と明記されているかチェック

  • 医療機関に直接電話やメールで確認

  • 市区町村の障害福祉課に問い合わせる

もし指定されていない医療機関で受診をしてしまうと、制度の適用はできません。オンライン診療可能=制度対象ではない点に注意しましょう。


■ ステップ③:診療予約時に「受給者証」と「上限額管理票」を提示

オンライン診療を受ける際には、予約の時点または診療前に以下の2点を提出(またはアップロード)する必要があります。

  • 自立支援医療受給者証

  • 自己負担上限額管理票

多くのオンラインクリニックでは、予約後の問診回答フォームやLINE・チャットなどで画像アップロードが可能です。初回だけでなく、毎月の診療時に再提示を求められる場合もあるため、スマホに写真を保存しておくと便利です。


■ ステップ④:診療後のお会計と「上限額管理シール」の貼付

オンライン診療後の支払いでは、保険適用で3割負担となる医療費が、自立支援医療により1割負担に軽減されて反映されます。例えば診療費が9,000円だった場合、通常の自己負担額は2,700円ですが、制度を利用すれば900円になります。

さらに、所得に応じて設定された月額上限に達している場合は、それ以上の負担は発生しません。

【診療後の流れ】

  1. 医療費の支払い(制度反映後の1割負担で計算)

  2. 月上限に達している方は0円または上限額までの支払い

  3. 医療機関から「上限額管理シール」が送付される(LINEや郵送)

  4. シールを「自己負担上限額管理票」に貼付して保管

これにより、毎月の上限額までで医療費を管理することができ、予期せぬ出費を防ぐことが可能です。


■ よくある注意点とトラブルを防ぐポイント

✅ 医療機関の指定漏れに注意

受診前に、必ず「指定自立支援医療機関」かどうかを確認しましょう。

✅ 受給者証の有効期限は1年以内

1年ごとに更新手続きが必要です。更新時には医師の診断書が再度必要になるケースがあります(2年に1回で良い場合もあり)。

✅ 初診での処方には制限がある

厚生労働省の指針により、向精神薬や睡眠薬のオンライン初診での処方は禁止されています。再診や医師による安全性の確認が必要です。

✅ 保険適用外の治療には使えない

カウンセリングや自由診療など、保険外の診療行為には制度は適用されません。


■ オンライン診療と自立支援医療を組み合わせれば、安心して治療が続けられる

オンライン診療の利便性と、自立支援医療による金銭的支援を組み合わせることで、精神疾患の治療をより身近で持続的なものにすることができます。

申請や手続きは多少の手間がかかりますが、一度整えてしまえば、通院による負担が軽減され、継続的な治療環境が整います
「仕事で忙しい」「近くに精神科がない」といった理由で受診をためらっていた方は、この制度を活用して、まず一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。


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自立支援医療は職場にバレる?利用時のよくある不安を解消

精神科や心療内科での通院を続けている方にとって、「治療費を抑える制度があるのは知っているけれど、会社に知られるのが怖い」「職場にバレたらどうしよう」という不安から、自立支援医療(精神通院医療)制度の利用に踏み切れない方も多くいます。

実際のところ、自立支援医療制度を利用したからといって、職場に通知されたり、勤務先に知られることは基本的にありません。
本記事では、制度を利用することで「職場に知られてしまうのでは」と不安になる方のために、個人情報の扱いやバレない仕組み、注意点などをわかりやすく解説します。


■ 自立支援医療の申請に会社は一切関与しない

まず前提として、自立支援医療制度は個人と自治体(市区町村)との間で完結する公的制度です。

申請時に必要なのは、自分自身の診断書や住民税に関する情報、医療保険証、マイナンバーなどであり、会社に関する情報や、会社が発行する書類は一切必要ありません。

また、申請した事実や受給者証の交付について、自治体から勤務先に連絡が入ることは絶対にありません。


■ 健康保険証を見られても「制度利用中」とは分からない

多くの会社員は、企業の健康保険組合に加入しています。自立支援医療制度を利用する際には、その保険証の写しを提出しますが、これはあくまでも申請に必要な「保険の種別確認」のための手続きです。

制度の対象となる「同一保険世帯の範囲」や「所得の判定」に使われるだけで、会社側には制度の利用状況が共有されることはありません。

会社の総務担当者などが従業員の医療制度利用履歴を把握することはできない仕組みになっています。


■ 診断書や病名も会社には開示されない

自立支援医療制度の申請には精神科医の診断書が必要ですが、この診断書はあくまで市区町村の福祉担当課や保健所へ提出するものであり、勤務先には共有されません。

また、提出する書類の中には、精神疾患の具体的な病名(うつ病、統合失調症、パニック障害など)や病歴が記載されていますが、これも全て自治体内で厳重に管理されます。
個人情報の保護は法令(個人情報保護法)に基づいて行われ、第三者への漏えいは原則として認められていません。


■ 医療費明細から会社に伝わることも基本的にはない

会社を通じて健康保険に加入している場合でも、自立支援医療制度で支払った医療費の明細や治療内容が会社に通知されることはありません。

健康保険組合が「高額療養費」の申請状況を把握することはありますが、それが自立支援医療制度と連動していたり、診療科や病名を把握したりすることはありません。

また、給与明細や年末調整などの際に医療費控除などを申請しない限り、会社が医療費に関する情報を見ることもありません。


■ ただし「医療費控除」の申請には注意点あり

確定申告で医療費控除を受けたい場合には、医療機関の領収書や支払い明細を提出する必要があります。この中に精神科通院の履歴が含まれると、配偶者や扶養家族に内容を見られる可能性はあります。

そのため、職場よりも「家族への告知」が気になる方は、申告書や医療費明細の管理を個人でしっかり行うことが大切です。


■ 自宅で受けられるオンライン診療ならさらに安心

自立支援医療制度を使った通院は、指定医療機関での外来が原則ですが、現在ではオンライン診療に対応している指定医療機関も増えています。

オンライン診療を活用することで、職場の近くにある病院に通う必要がなくなるため、診療の事実が人目につきにくくなるという利点もあります。さらに、受給者証と上限額管理票の提示もスマホで完結するケースが多く、プライバシーが守られた形での診療が可能です。

また、薬も自宅配送に対応している場合が多く、誰にも知られることなく治療を継続できる環境が整っています。


■ まとめ:「職場にバレる」は誤解。安心して制度を利用しよう

自立支援医療制度を利用することで、精神科や心療内科の通院にかかる費用を大きく軽減できます。そして、この制度を使ったからといって、勤務先に知られることは基本的にありません。

制度の対象者でありながら、「バレたらどうしよう…」という不安から利用を避けていた方も、以下のポイントを押さえて安心して利用してください。

✅ ポイントまとめ:

  • 申請は個人と自治体間で完結。会社に通知されることはない

  • 健康保険証の提出だけで、会社に制度利用は伝わらない

  • オンライン診療なら通院の実態も人目につきにくい

  • 医療費控除を家族に見せたくない場合は申告時に工夫を

経済的にも精神的にも負担を減らし、安定した治療を続けるために、ぜひ正しく制度を活用していきましょう。


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